2021/08/15 17:25

スペインの北部には「バスク地方」と呼ばれる地域がある。今では観光名所の一つでもあり、美食でも有名になっているのでご存じの方も多いだろう。

ただ、スペインにしてスペインにあらず、とも言われるバスク、山と海に囲まれて地形的な面でも閉ざされた感のある地域であり、独自の文化を育んできたことでも知られている。
バスクにはバスク語があり、スペイン語とは全く体系の異なった言語で、未だに謎の多い言語の一つでもある。
また、バスク人のルーツもはっきりとしたことが解明されておらず、いわゆるスペイン人のルーツとも全く違うものと考えられているそうだ。
自らをスペイン人ではなくバスク人と呼ぶ人も多いこの地域、ここでパンクはどのように伝わっていったのだろうか。

バスクでも他のヨーロッパ諸国と同じく、Sex PistolsやClashを筆頭としたイギリスからの影響によりパンクが伝わってとされている。1977年頃にバスク最初のPunk Bandが誕生した。
80年代に入り、バスクのパンクシーンも隆盛を極めてくる。バスク地方の初期Punk Movementで名を馳せたのはOdio, Basura, Vulpess, Optalidon, Cirrosis, RIPといった面々。

↑ バスクの80's Punk First Waveのバンドの一つだったOptalidonのメンバーを含むSantos Inocentes。幻の2ndアルバムのカセット。


↑ Santos Inocentes解散後に新たに結成したMalos Tiempos Bastardosのカセットテープ。

80年代半ばにはシーンも盛り上がりを見せ、80年代後半にはピークを迎える。Hertzainak, La Polla Records, Zarama, MCD, Eskorbuto, Barricada, RIP, Kortatu, Vomito, Bapといったバンドが人気を博した。

独特の文化を持つバスク、2021年となった現在も連綿と続く独自性を持ちながら様々なパンク・バンドを生み出している。

↑ 2020年にリリースされたバスク出身のパンク・バンドのオムニバス。バスクのシーンの雰囲気を感じ取るには最適。

他、バスク地方のバンド、色々あります。